2013年10月8日 福田和也の「乃木希典」


数年前大河ドラマで司馬遼太郎の「坂の上の雲」が放映され、いろいろと話題になりました。小説では日露戦争旅順攻略戦における乃木将軍を無能者として決めつけ、親族からは大いなる反発を受けていたのですが、福田和也は将軍を非常にほめたたえております。

二百三高地の勾配のきついことを考慮すると、当時の日本軍の装備では到底攻略できるものではなかったが、旅順港を一望できるこの場所の確保は最重要点だった。

第三軍司令官だった乃木は肉弾戦で攻め続け、多くの犠牲者を出したものの攻めあぐねていた。これにとって代わった児玉源太郎は俊敏さを持って攻め取り、旅順港のロシア艦船の撃滅へ導くができた。

児玉の有能と乃木の有徳を比較されることが多い中、明治天皇は乃木を高く評価しており、その生き方も徳を積んだ人格者だからこそ、全国5か所に乃木神社が作られほどである。

福田和也はいたるところで乃木がいかに有徳であるかを記述しているが、小生としては戦争においては徳だけではだめで、児玉のようないろいろな角度からプランを立て最善の案が得られたら実行をすばやく行なうような司令官が望まれるのではないでしょうか。

常に軍服を着用し、徳義を発揮するとの心情は中国の故事である衣食足りて礼節を知るのごとしでしょうか。人間は服装という形から入っても自然と心まで落着いた気持ちとなることはよく経験することです。軍服を着ても心が一つの方向へ収斂されても、良き作戦が立てられないと多くの若者が犠牲になり国家の損失につながるのです。

この本から乃木希典の徳あるところ勉強させてもらったが、ますます司馬遼太郎のような考え方に同意する結果となりました。